「因数分解も理科の実験も大人になって使うことないのに、何でそんな勉強しなきゃいけないの?」
中学生くらいになると誰もが持ち始める疑問ではないでしょうか。
もしくは子供から聞かれて答えられなかった…という親御さんもいらっしゃるでしょう。
「勉強なんてしなくたって大人になれるし、じゃぁお母さん、お父さんは勉強頑張ったの?」
とか言われちゃったら、ちょっと言い返す言葉が無い…なんて経験ありませんか?
今回は勉強を頑張る意味について考えてみたいと思います。
頑張ったらどうなるか想像しながら読んでみてください。
勉強を頑張る意味は?
1.生き延びていく力を付けるため
勉強を頑張る意味について、人類の歴史から考えてみましょう。ちょっと壮大ですね(笑)
そもそも私たちホモサピエンスはラテン語で賢い人を意味します。
世界的ベストセラーとなった「ホモサピエンス全史」によると、ホモサピエンスが生き延びて来れたのは、言葉というツールを使って集団を作り、仲間が協力し合って、強くなっていたから。
そして、架空を語る能力、つまり虚構という力を身に着けて、宗教や法律、貨幣、国家というものを作り上げていったそうです。
つまり、ホモサピエンスが食物連鎖の頂点に立ち、生き延びて来れたのは、言葉や虚構という「知恵や思考」を武器にしてきたからと言えるのではないでしょうか。
そして、現代において、私たちが知恵や思考力を装備するためには、勉強というのは必須となってきます。
人類の歴史から勉強を頑張る意味を考えると、生き延びていく力、サバイバル能力を付けるためと言えるでしょう。
2.学歴が人生をより豊かにしてくれるから
当時私が中学生で進学する高校を迷っていた頃、母が「学歴はブランドだ。」という名言を吐き捨てました。
いくら頭が良くても、成績や模試の結果が良くても、学歴が無ければ、自分で「私、頭いいしー」とか、「オレ、模試で全国1位だったしー」とかいちいちマウントを取らなければならない。引き換え、学歴があれば、何も語らずとも相手が勝手に敬ったりしてくれる。
ということが言いたかったみたいなんですが、今でも頭に残っているくらいなので、当時は結構胸に響いた言葉なんでしょうね。何の取り柄も無かった私は学歴というブランドくらいは持たなければな、と思った記憶があります。
そして、その学歴は収入に比例するとも言われています。
実際の数字で見てみましょう。
学歴別にみた初任給<男女計>
- 大学院修士課程修了…23万8,700円
- 大学卒…20万6,700円
- 高専・短大卒…18万1,400円
- 高校卒…16万5,100円
これは初任給の数字ですが、生涯賃金となると大学卒と高校卒とでは4,000万円もの開きが出てきます。家一軒分くらいの差がありますね。
ユースフル労働統計2018 ―労働統計加工指標集―
就活のときも学歴重視というのはよく聞く話ですよね。
しかし、企業が欲しい人材というのは必ずしも学歴が高い人というわけではなく、その企業風土に合った活躍できる人材です。
企業にとっても学歴重視というのはあまりイメージは良くないので、対外的には言えないでしょう。
それでも数多くの応募者の中から絞り込む基準となるものにはやはり学歴があるのです。
ある大企業の人事の人に話を聞いたことがあるのですが、学歴で選ぶというのは、統計的にということなんだそうです。学歴がいい人はここまで目標をもって勉強も頑張ってきただろう、過去の先輩方はその企業で活躍している、そういう統計をもって学歴で採用するということでした。
学歴という面から勉強を頑張る意味を考えると、就活や収入に優位に影響してくるためと言えるでしょう。
収入が高くなるということは生活がより便利に豊かになることとイコールです。
3.人生の選択肢が広がるから
何かのスポーツに秀でていたり、絵を描くのがうまかったり、音楽の才能があったり…
子どもがどんな才能があるのか、なりたい職業とかやりたいことが分かればいいですが、まだまだやりたいことを絞り込めてない子が多いんじゃないでしょうか。
それに子どもたちの可能性は無限大です。
そうなると若いうちに勉強を頑張っておくと人生の選択肢はものすごく広がるのです。
研究者、技術者、開発者、税理士、弁護士、医者、建築士、アーティスト、介護士、保育士、公務員、デザイナー、トリマー、調理師、プログラマー、教師…
選択できる職業も幅広くなります。
ちなみに、なりたい職業がまだ定まっていない子たちは高校普通科への進学からの大学進学というのがごく自然な流れになると思います。
それでも中学生くらいになるとそんなみんながそうするから自分もそうするみたいなのがすんごくイヤ~な反抗期の時期に差し掛かるんですよ。
はい、私がそうでした…
当時、進研ゼミのCMでキンキキッズの二人が
「普通科ってなに?普通って…」
「そりゃ、普通ってことやろ」
みたいなやりとりをするCMがあって、小学生だったか中学生だったかの私は「そうだ!普通になんかなりたくない!みんなと同じ普通なんてかっこ悪い」みたいなこと思った記憶があります。
とは言え、特別やりたいことも見つからなかった私は、高校の普通科に進学しました。普通に(笑)
高校の普通科というのは大学進学を目指した教育を行う科ということになります。
専門学科や専門学校はなりたい職業なんかがあって、その職業になるために必要な教育を行う場です。大学進学には履修科目が足りなかったりもするので要注意です。
子どもになぜ普通科への進学が必要なのかとか聞かれたらこの辺の知識も必要ですね。
勉強を頑張ったらどんな将来?
実際、社会に出たら因数分解も理科の実験も必要ないなんて人のが大半です。
でもそこで導いた、仮設→検証→答え合わせという答えへの導き方は社会でも大いに役立つんです。
勉強を頑張ることは頭を使うこと、勉強の仕方を勉強していくこと、効率よく勉強する方法を習得していくこと、目標を立てて達成すること、これらが意味のあることなんですよね。
きっと学生時代に勉強を頑張った人は社会に出てからも何かトラブルや予期せぬことに直面した時、それを乗り越えれる力が備わっていることでしょう。
まとめ
勉強を頑張る意味についてまとめると
- 勉強を頑張ることは生き延びていく力を高めるため
- 学歴は収入に比例する。収入が高くなれば人生がより豊かになる
- 人生の選択肢が広がり、職業の選択肢も幅広くなる
勉強を頑張ることは生活や人生をより豊かにしてくれることだということですね。
こう考えると、勉強を頑張らない理由がみつからないですね。
私も息子たちに勉強するとこんな良いことがたくさんあるよと説得してみたいと思います。
勉強をしたくない言い訳を考えるのは大得意なので、一筋縄ではいかないかもしれませんが(笑)